WH海賊への道 第一話 「探検家を殺す」


 W-spaceには2種類のカプセラしかいない.それは「狩られる側」と「狩る側」である.
前者になるのは簡単である.何でもよいから適当な船でW-spaceに入り,適当に浮いていれば,達成できる.
一方で,後者になるのは一朝一夕には達成できない.

 一端のWH海賊になる為には,WHの特性を生かした独特の戦闘方法を身に付け,多くの経験を積まなければならない.筆者も一人前のWH海賊になるべく,目下修行中である.
この「WH海賊への道」シリーズでは,基本的な操船を習得した初級~中級カプセラが,W-spaceで満足なキルをあげられるようになる方法をレクチャーしていく.
一回目の本記事では,Sisters of Eve の探検用フリーゲート「Astero」を用いて,データ/遺物サイトを攻略している憐れな探検家どもを撃墜する方法について解説する.

 

◆ Astero とは


 Astero とは,Sisters of EVE が開発した探検用フリーゲートであり,Covert Ops Cloaking Device 2 を装備可能なフリーゲートの中で最もスキル要件が低い.
Covert Ops Cloaking Device 2 を装備可能なフリーゲートは他にT2 のCovert Ops があり,値段はAstero の半分程度である.
 しかしながら,前提スキルに各国フリーゲートスキルLv5 と Electronics Upgrades LV5 が必要であり,+3のインプラントを刺していても乗れるようになるまで20日近くかかる.
Astero の前提スキルはガレンテ/アマーフリーゲートスキルLv3 であり,1日でスキルを習得できる
さらにAstero はロー/ミディアムスロットが共に4つあり,汎用性が高い.(値段にさえ目を瞑れば)その運用ハードルの低さと汎用性ゆえ,探検家によって広く愛用されている.また一方で,ガレンテ/アマーフリーゲートスキルのレベルに応じて,ドローンHP/アーマーレジスタンスが上昇するボーナスが付いているため,前述のスロットの多さとも相俟って,PVP艦としての適性が高い.

Astero のFit について
 Astero をPVP艦として用いる場合,様々なFit が考えられるが,本記事では「無防備な探検家を殺す」という目的に特化するため,以下のようなFit を前提に記事を進める.

・ハイスロット
 Astero をソロで運用する場合,ハイスロットはCovert Ops Cloaking Device 2Core Probe Launcher 以外の選択肢は事実上ない.
Probe Launcher はターゲットがいるサイトを特定する時間を極力短くするために,Sister Core Probe Launcher を搭載しているが,金が無ければT1でよい.

・ミディアムスロット
 次にミディアムスロットだが,まずMWD で一つ埋まる.基本的にはどんな船であれ,推進モジュールは必ず搭載する必要がある.
またロースロットにArmor Repairer を2つ搭載する関係上,Capacitor Booster 2 を搭載する.これはCap Booster というものを装填してキャパシタを一瞬で回復してくれるモジュールだ.
Cap Booster はサイズによって回復できるキャパシタ量が異なる.基本的には搭載できる最大のものを搭載する.このFitでは,Navy Cap Booster 400 を搭載している.
Navy Cap Booster は,通常のCap Booster よりも値段が高いが,体積が小さく,より多く船に積むことができる.
 残った2つのミディアムスロットにはWarp Scrambler 2 を2つ搭載する.このFitでは通常のWarp Scrambler 2 のうち1つを Caldari Navy Warp Scrambler に換装している.
Warp Scrambler 2ワープスクランブル強度は2 だが,Caldari Navy Warp Scrambler を含むFaction 品のWarp Scrambler は,ワープスクランブル強度が3 に設定されている.
Astero及び一部のT1 探検フリーゲートでは,ロースロットが4つのものがあり,これらの船のロースロット全てにWarp Core Stabilizer を搭載した場合,Warp Scrambler 2 2つではワープ妨害を振り切って逃走される恐れがある.
 したがって,全ての探検船を確実に殺したい場合,Warp Scrambler のうち一つをFaction品にすることを推奨する.全ての探検家を逃がさないことにこだわらない場合はT2 でよいだろう.

・ロースロット
 ダメージコントロールは推進モジュール同様,基本的にすべての船に搭載する.
残ったロースロットにはArmor Repairer 2 を2つとEnergized Adaptive Membrane 2 を1つ搭載する.
Energized Adaptive Nano Membrane 2 は全てのアーマーレジスタンスを上昇させるモジュールであり,敵の攻撃によって受けるダメージを減少させる.
Armor Repairer 2 は,アーマーを回復させるモジュールであり,アーマーが回復するのはモジュールのサイクルが終了した瞬間 である.
*この記事では基本的に,反撃能力を殆ど持たない探検家を一方的に殺すことを想定して執筆している.しかし,一部のAsteroでは,探検モジュールだけではなくスクラムとリペアラを装備して,PVPも出来るようなFitで飛んでいる場合がある.この様なAsteroと戦闘になった場合,リペアラが無いとかなりの確率で詰む
このような状況に陥っても敵を殺害又は無力化し,生き残れるようにFitを組んでいる.

・リグ
 次にリグである.Small Anti-Explosive Pump は,アーマーのExplosive レジスタンスを上昇させる.
アーマーはデフォルトではExplosive 属性のレジスタンスが著しく低い為,リグやモジュールによって補ってやる必要がある.
Small Auxiliary Nano Pump 2 はArmor Repairer 1サイクル辺りの回復量を増加させ,Small Nanobot Accelerator 2 はArmor Repairer のサイクル自体を早める.
つまりアーマーが回復する間隔が早くなる.
この2つのリグにより,アーマーの秒間回復量はリグを付けていない状態に比べて1.5倍になる.

.弾薬
 まずSister Core Probe LauncherCapacitor Booster 2 にはあらかじめ,Sister Core ProbeNavy Cap Booster 400 を装填しておく.
そして船のカーゴホールドにはSister Core Probe を8個入れ残りのスペースすべてにNavy Cap Booster 400 を詰め込む.
リペアラを2つ起動するとキャパシタがすごい勢いで減っていく.冗談抜きに,Navy Cap Booster 400 はこの船の生命線である.

・ドローン
 ライトスカウトドローンはお好みのものを10機搭載する.ここは好きに選べばよい.更に5機のドローンを搭載するスペースがあるが,ここにはECMドローン を搭載する.
上に書いたような思わぬ反撃に遭遇し,どうしても敵を倒し切れそうにない場合でも,ECMドローを展開して逃げの一手に転じることが可能になる.

 

さて,ではこの様なアステロを実際にどのように運用するのか,見てみよう.


◆ W-Spaceに入る.
 あなたはハイセクのシグネチャをプローブでスキャンし,ワームホールがあることを突き止めた.

 WHの目の前にワープしてきたあなたは,WHを通ってW-spaceに進入する.


「このWHを通ると,お前は遥か彼方の銀河系に飛ばされるが,そこで何かあってもコンコードが助けに来ることはない.俺は警告したからな」と書いてある.
”Yes” ボタンを押してW-space に進入した時点で,何が起きても全て自己責任だ  .覚悟を決めよう.

WHを通ってW-Spaceに進入すると,1分間のジャンプクロークが付与される.

画面左上に表示されている青いアイコンが,ジャンプクロークタイマーである.
このタイマーが表示されている間,自艦を動かさない限り,他のプレーヤーからは一切不可視であり,他プレーヤーからのいかなる影響も受けない.
このジャンプクロークが維持されている間に,以下の3つを実行する.

D-スキャンの確認
まず一番最初に,最大範囲,360度でD-スキャンを回し,宙域に何があるのか確認する.

ここでInterdictor や Stratios などの凶悪な船が映った場合,黙ってハイセクに引き返すべきだろう.
今回は,Noob Name のAstero だけが写っている.
(Noob Name:Katana Masen’s Stratios といった具合に,登場しているカプセラの名前がそのままついている船.D-スキャンに映ると誰が乗っているかまでばれる為,普通は適当な名前に変更する)
Astero 以外に何の船も見当たらない.ここでこいつを地獄に叩き落とすべきか,もう少し考えてみよう.

zKillboard の確認
 ジャンプクロークタイマーの下に,現在あなたがいるシステム名が表示されている.
これをそのままGoogleの検索欄に打ち込むと,下の様な検索結果になる.

 上から3つ目の検索結果がzKillboard である.
このページにアクセスすると,このW-spaceで過去に行われたPVPの履歴を見ることができる.
 さて,見てみよう.

 これをみると,このW-spaceで最後にPVPが起こったのは今日(2017年5月25日時点)から数えて6日も前のことであり,少なくともキルボード上で見る限りは,今現在このW-spaceに危険な海賊が潜伏している可能性は高くないと言える.
さらに,ここに住んでいる住民が定期的に探検家を殺しているようなログも無い.
 自分以外の脅威は今はいないということだ.あなたはこの探検家を抹殺することを決意する.

り道のブックマークを取る
 W-spaceに進入した後は,すぐに引き返すわけでない限り,必ず帰り道のブックマークを取る必要がある.
ブックマークを取っていないと,W-spaceから出るときにプローブを射出してプロービングをしなければならなくなる.
プローブを射出するためにはクロークを解かなければならず,探検家にD-スキャン上で見られれば逃亡される恐れがあるし,自分よりも怖い海賊がいたら襲われる確率が上がる.
 何よりもブックマークを取っていないと時間が無駄になる.

 何があっても必ず帰り道のブックマークは取るようにしよう.

 さて,ここまでを可能であれば,ジャンプクロークが続いている1分以内に完了できるのが理想である.
だが,最初の頃は1分でこれらをこなすのは難しいと思われる.何よりzKillboard を読みこなせるようになるには経験が必要なので,最初はゆっくりと確実にやればよい.
zKillboard の詳細な読み方については,今後の記事で具体的な事例と共に説明したいと思う.
 ジャンプクロークが切れたら,すかさずCovert Ops Cloaking Device 2 を起動し,クローク状態に入る.
素早くこなせば,相手がよほどD-スキャンに敏感な探検家でない限り,ここまでで自らの存在が露呈することはない.

D-スキャンを使ってターゲットの位置を特定する
 次に,ターゲットの船がどこにいるのかをD-スキャンを駆使して特定していく.
D-スキャンでターゲットの位置を絞り込んでから,そこにプローブを当ててサイトを特定すれば,ターゲットにこちらの存在を察知される可能性が格段に低くなる.

 まずは,D-スキャンの範囲を1段階下の10.0AU に変更する.すると,ターゲットのAstero は映らなくなった.
つまりターゲットは10.0 – 14.3 AU の範囲のどこかにいるということである.
これだけでは少々アバウトなので,更に距離を絞り込んでいく.距離を調節するスライダーの隣についているメモリをポチポチと押していくと,0.1AU 単位で範囲を変更できる.
 これを使って10.0AU から少しずつ範囲を広げていく.

 10.6AU ではまだ写っていない.

 10.7AU に変更すると,ターゲットのAstero が写った.
つまりターゲットは10.6 – 10.7 AU の範囲にいるということである.
ここまで距離が絞り込めれば上等である.次に,方角を絞り込む.

まず範囲を現状の半分,180度に設定する.

 Astero はまだD-スキャン上で捉えられている.
さて,ここでスキャン範囲は180度のまま,右方向に90度方角をずらして再スキャンを試みる.

 Astero は映ったままである.
つまり,このAstero は右上90度の範囲のうちのいずれかにいるということになる.
ここで,スキャンの方角を動かさないまま,スキャン範囲を90度に絞ってみる.
 これでターゲットの位置はかなり絞れてきている.あとは同じ要領で更に範囲を絞っていく.

 5度の範囲までターゲットの位置を絞り込めた.完璧である.
後はターゲットがいると推定される位置にプローブをセットし,スキャンボタンを押すだけである.
デクロークしてプローブを射出し,またすぐにクロークしよう.

 大当たりである.D-スキャン上で見込んだ範囲にデータサイトが存在していることが分かった.
もう一度プローブでスキャンをかければ,次でデータサイトを完全に特定できるだろう.

 データサイトを完全に特定した.
恐らく,ターゲットはこのデータサイトでハッキングを試みているであろう.
実際にデータサイトにワープして,ターゲットを目視で確認しよう.

 データサイトに到着した.
ターゲットはデータサイトのコンテナをハッキングしており,こちらの存在には気づいていないようである.
さらに,D-スキャンで表示されていた通り,Astero に乗っているのはWakisashi Kodachi というカプセラである.

 さて,ここで一息つこう.

ーゲットをzkillboardで調べる
 きなりターゲットに襲いかかる前に,そのカプセラのzkillboard を確認してみよう.
既に述べたとおり,Astero で探検とPVPの双方を兼ねたFITで飛んでいる者は多いし,そもそもベイトの可能性も否定しきれない.
もしかしたら敵に襲いかかった瞬間に,向こうからもワープスクランブルが飛んでくるかもしれないし,ターゲットの仲間の船がワープアウトしてくるかもしれない.
 Noob Name で飛んでいる時点でそのような可能性は低いだろうが,念には念を入れるべきである.

 船に乗っているカプセラをzkillboardで検索する.

 半年以上キルの履歴は無く,モバイルトラクターを焼いたログがあるだけである.
ベイトであったり,PVP屋である可能性は低いだろう.
 いよいよこの哀れな探検家をあの世に送ってやろう.


 ターゲットとの距離が10km程度になるまでクロークして接近すれば,逃げられるリスクを低減できる.
この際,データサイト内に存在する各種オブジェクトに近すぎないように気を付ける必要がある.
 オブジェクトの2000m以内に近づくと,自動的にクローク状態が解除され,ターゲットに目視されてしまう.

 10kmを切った時点でクロークを解除MWDを起動しつつ同時にドローンを展開する.
更にロックボタンを連打し,ロックが完了したらWarp Scrambler を起動してターゲットにスクラムをしかける.

 ターゲットへのワープスクラムに成功した.
Astero のロースロットはすでに述べたように4個であるから,仮にロースロットにWarp Core Stabilizer を満載していたとしても,Warp Scrambler 2 とCaldari Navy Warp Scrambler の起動に成功した時点で,ターゲットは逃走することが不可能になった.
あとはターゲットに密着してスクラムの射程範囲から逃さないようにしつつ,攻撃を当てていく.

 今のところ,ターゲットからの反撃は無い.非武装艦と判断してよいであろう.
ならば好都合である.このまま一気に叩き潰そう.

 ターゲットのAstero は砕け散った.この後,可能であればPod も捕まえて卵焼きにしてしまおう.
今回の場合,Pod には逃げられてしまったが,気を取り直してキルメールを見てみることとする.

 撃墜したAstero のキルメールである.探検家としては一般的なFitであるといえるだろう.
完全な非武装艦であり,スクラムはおろかドローンすら積んでいない.
ECMドローンでも積んでいれば,結果は変わったかもしれないが…
また,ロースロットにWarp Core Stabilizer をガン積みしていたようだが,スクラム強度5を誇るこちらのAstero から逃れることは不可能であった.

忘れずに敵の残骸から中身を拾おう.
 今回の場合,ターゲットはRSS Core Scanner Probe という高額なスキャンプローブを使っていたようで,174M Isk の儲けとなった.
上々である.


 残骸の中身を回収し終わったら,よほどの理由が無い限りさっさとこのW-Spaceから退去するべきであろう.
右クリックメニューから出口のブックマークを選択し,ワープする.
 WHをくぐり,ハイセクに帰ってこれば,こちらの勝ちである.

 あなたは高価な船を1隻撃墜せしめ,更に170M Isk の収入を手に入れた.
今回は運が良かったようだ.だが,毎回うまくいくとは限らない.
既に述べたように,敵が反撃して来たり,そもそも探検家を装ったPVP屋ったりするかもしれない.
 そのような敵と遭遇した際,どのように対応するべきか,これについては次の記事で詳しく解説することとする.

回記事内容予告
 ・Astero で襲い掛かったら反撃された!どうする?
 ・Killboardの詳しい見方
 ・イト以外にいる探検家等を見つけ出す方法

2 thoughts on “WH海賊への道 第一話 「探検家を殺す」”

  1. とても勉強になりました!特にワープスクランブル強度の計算のところは自分がやる時に参考にさせていただきます!

  2. 「Faction 品のWarp Scrambler は,ワープスクランブル強度が3 に設定されている」というのは知りませんでした。(距離しか見て居なかった)
    とても参考になりました。これでasteroを落とせそうです。

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